Ja STACK コミュニティ

Ja STACKコミュニティ趣旨

STACK (System for Teaching Assessment using a Computer Algebra Kernel)は,オンラインテストにおいて学習者が入力した数式を数式処理システムにより解析し,自動的に正誤判定やフィードバックを行うことができる数式自動採点システムです。2005年にChristopher J. Sangwin氏により,Version 1.0が公開されて以降,継続的な開発が進められ,2010年には日本語化が行われ,日本国内においても大学等の高等教育機関を中心に利用が広がってきました。現在では,学習管理システム(Learning Management System, LMS)の一つであるMoodleの問題タイププラグインとして動作し,数式の正誤評価にとどまらず,GeoGebraやJSXGraphなどの外部ツールと連携することで,多様な出題形式や高度な評価が可能となっています。

日本国内における数式自動採点システムとしては,大阪府立大学(現大阪公立大学)で開発されたMATH ON WEB,数式処理システムMapleを活用したMöbius,WeBWorK,さらには各機関で独自に開発されたシステムなど,これまでに様々な取り組みが行われてきました。その中でも,現在最も広く利用されているシステムの一つがSTACKであると考えられます。

一方で,STACKを含む数式自動採点システムの実運用においては,問題作成のノウハウ,誤答分析や解答データの活用方法,授業設計への組み込み方などについて,各担当者や小規模なグループが個別に試行錯誤を重ねているのが現状です。また,STACKには新たな機能や問題作成手法が継続的に追加されており,これらを効果的に活用するためには,利用者間での情報共有や議論がますます重要になっています。

国際的には,STACKに関する複数のコミュニティが存在し,Zulipをコミュニケーションプラットフォームとして,問題作成,評価方法,システム運用など多岐にわたる情報交換が活発に行われています。しかし,それらは主として英語による議論であり,日本国内の利用者が気軽に参加するには一定の障壁があります。

このような状況を踏まえ,日本語でSTACKに関する情報交換や議論を行える場の必要性を認識し,有志が発起人となってJa STACKコミュニティを設立することとしました。本コミュニティは,STACKを利用する教育実践者・研究者・技術者が立場や経験を超えて交流し,知見を共有することを目的としています。

主な活動内容

これらの活動を通じて,STACKの円滑な導入と効果的な活用を支援し,日本国内における数式自動採点システムの教育的価値の向上に寄与することを目指します。

なお,本コミュニティは国際的なSTACKコミュニティとは独立して運営されますが,設立発起人の一人である中村はSTACK International Advisory Boardのメンバーでもあります。この立場を活かし,日本における活動や知見を国際コミュニティへ随時共有するとともに,必要に応じて助言や情報提供を受けることができる関係性を築いていくことも想定しています。


設立発起人(五十音順)